認知症と上手につきあうケアと予防の方法【ニンチケア】
アルツハイマー

アルツハイマー型認知症……若者にも起こるアルツハイマーの症状と原因

アルツハイマー認知症は、若年性アルツハイマー認知症がテレビや雑誌で取り上げられたこともあり、広く知られるようになって来ました。日本の認知症の患者は2020年には300万人にもなるとされています。正しい知識を身につけなくてはなりません。
また、高齢化社会に伴い、高齢者のアルツハイマー型認知症が増加したことから、若年性アルツハイマー型認知症と区別されるようになりましたが、脳内で起きている異常や症状などは若くても高齢者でも同様です。

アルツハイマー型認知症が発症した脳は…

アルツハイマー型認知症が発症すると、大脳が萎縮していき、発症後約10年で約6〜7割まで小さくなっていってしまいます。

アルツハイマー型認知症の特徴として、茶色いシミのような老人班や神経原繊維変化が増加することが挙げられます。神経細胞の間に老人班・神経原繊維ができ、これらが増加するにつれて神経細胞が減少し、脳が萎縮してしまうのです。

また、脳内のアセチルコリンという神経内の伝達をスムーズにする物質が減少することにより、神経間の伝達が悪くなることで記憶に関する機能が低下すると考えられています。

老化と間違えやすいアルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症の初期症状は気付きにくく、認知症と気付く頃には発症してから5〜6年たってしまっているということが多いです。

老化現象の一つとして物忘れがありますが、アルツハイマー型認知症の初期症状にも同様な症状がみられます。

アルツハイマー型認知症の中核症状

アルツハイマー型認知症の主な症状である中核症状がいくつかあります。この中核症状はアルツハイマー型認知症だけでなく、脳血管性認知症やレビー小体認知症にもあてはまります。

中核症状には下記のようなものがあり、アメリカ精神医学会により定義付けられています。認知症には記憶障害は必ず起こり、認知障害は下記のうち一つ以上起こります。

記憶障害

記憶障害には以下の種類があります。

短期記憶障害

最近の出来事が思い出せなくなります。今日が何月何日なのかわからない、物をどこにおいたのかわからないなどがこれに当たります。そのため、同じことを何度も聞いてきたりします。

長期記憶障害

以前の出来事が思い出せなくなります。自分がどんな仕事をしていたのか、どこの学校を卒業したのかなど、昔のことがわからなくなります。

また、常識的なこと(歴史的な出来事や1月1日は何の日なのかなど)もわからなくなります。

認知障害

認知障害には以下の種類があります。

失行

失行にもさまざまありますが、衣服の着脱ができない(ボタンかけができない・後ろ前にきてしまう)、自分で立ち上がることができない、歩き出すことができない(一歩目を踏み出せない)、指先を上手く動かすことができないなどがあります。運動麻痺や失調などがないのに、このような行為ができなくなってしまいます。

失語

失語には運動性のものと感覚性のものがあり、運動性失語は口数が減り言葉が出なくなってしまいます(名前がわからずに「あれ」「それ」と言ったりします)。

感覚性失語は話ができますが、単語の間違いや言い間違いが多く、意味が伝わりにくいです(新聞のことをメガネと言ったり、意味不明なことが多いです)。

失認

見てもそれが何なのかわからなくなってしまいます。人の顔がわからなくなる(妻と母親を間違えるなど)、季節の感覚がなくなる、色がわからない、文字がわからない、道具を使うことができないなどがあります。

今まで、日常的に使用していたものが、見えていても、それが何なのかわからずに使えなくなってしまいます。

実行機能

実行機能とは、計画を立てて実行することを言いますが、日常的に行う機会が多い家事もできなくなってきます。

料理を行うには、何を作るか・何を使うか・どのような順番で行うか・どのくらいの量を使用するかなどの、判断や行動を複合的に行っていかなくはなりません。炊事・洗濯を行うのも困難になってしまいます。

アルツハイマー型認知症の周辺症状

周辺症状は多数あり、認知症には中核症状と周辺症状が一つ以上現れます。

  • 抑うつ(気持ちが沈んでしまい、何もやる気がしない)
  • 妄想(財布や通帳を盗まれたと思ってしまう)
  • 幻覚(実際にはないものが見えたり聞こえたりする)
  • 徘徊(外に出て目的もなく歩き回ってしまう)
  • 睡眠障害(夜眠ることができず、昼間寝ている)
  • 失禁(トイレがわからなくなって、違う場所でしてしまう)

脳血管性認知症との違い

アルツハイマー型認知症は脳血管性認知症と違うところが多数あります。

認知症について自覚があるかどうか

脳血管性認知症は初期では認知症についての自覚がありますが、アルツハイマー型認知症は自覚がないことが多いです。自分が忘れていることに全く気付かず、気にもとめていない場合が多いです。

進行の仕方

脳血管性認知症は段階的に進行するのに対し、アルツハイマー型認知症は徐々に進行していきます。このため、アルツハイマー型認知症は発見が遅れることが多いです。

麻痺などの神経症状の有無

アルツハイマー型認知症は進行が進むにつれて徐々に神経症状が現れてきますが、脳血管性認知症は初期にも麻痺やしびれなどの神経症状が現れます。

人柄

アルツハイマー型認知症では人柄が変わってしまうことが多いですが、脳血管性認知症ではあまり人柄が変わることはありません。

特徴的な症状

アルツハイマー型認知症の特徴的な症状として、落ち着きがなくなることが挙げられます。脳血管性認知症では感情失禁が挙げられます。

  • <知っておきたい認知症の基礎知識>原因・症状・老化の違いなど
  • <認知症に関する病気について>脳血管性・アルツハイマー・ピック病など
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